地方の中小企業の知恵とやる気を生かし、元気を取り戻してもらおうという経済産業省などの取り組みが徐々に広がっている。農商工の連携による地域資源の活用が大いに期待される。

 このような動きはさまざまあるが、そのひとつの核は、昨年6月に施行された中小企業地域資源活用促進法。各都道府県は地域の特色を生かした地域資源を指定し、その基本構想を策定する。企業はその地域資源を活用した事業を提案して認定されれば、各種助成や補助金、融資制度を活用できるシステムだ。これによって地方中小企業が活力を取り戻し、ひいては地域を元気にするというわけだ。経産省は5年間で1000ほどの事業を地域の産業として「独り立ちさせたい」という。

 地域資源、いわゆる「地域のお宝」の数は、始まった時点で8000件あまりが認定され、昨年12月には追加認定があり1万件を超えるまでになった。

 促進法では地域資源を「地域の特産物として相当程度認識されている農林水産物や鉱工業品」「地域の特産物である鉱工業品の生産に係る技術」「文化財、自然の風景地、温泉その他の地域の観光資源として相当程度認識されているもの」と幅広くとらえており、都道府県が策定する基本構想によって指定されることになっている。とはいえ、農業関係者にとっては一次産品の新たな活用で需要の底上げを期待したいところ。

 地域資源の内訳ではグリーン・ツーリズムにからむ観光資源が4、5割で、かなりの比率だが、農林水産物も3割ほどを占めており、宝はたくさんある。提案された事業をみるとその活用方法の多彩さ、アイデアに驚く。機能性に着目して衣料や生活用品などサプリメント以外の道を模索する計画や健康飲料、家畜の飼料への活用、産業廃棄物といわれる果実の搾りかすやおからを利用した食品の開発など、面白い計画がめじろ押しだ。

 2月に東京のビッグサイトで開かれた「地域資源セレクション2008」では関東地域のものだけが並べられていたが、珍しさもあってバイヤーの目を奪い、試供品をもらう姿が目に付いた。

 これらの事業が軌道に乗れば一定の消費拡大も期待できるし、雇用も期待できるかもしれない。しかし、それ以上に農商工の連携が地域を明るくし、地域全体に元気が出るに違いない。

 農商工連携の必要性が強調されているが、商工関係者が言うのは「農業からの情報発信が意外に少ない」という現状。「農業関係者はPR不足」とはよく言われること。まだまだ眠っている宝はたくさんあるはずだ。活用法を少し変えるだけでも新たな需要も期待できる。農業関係者からも、自慢の産物の宝に着目して、アイデアたっぷりの新規事業の提案をしたい。

出典:日本農業新聞