鹿島市山浦の染織家、鈴田滋人さん(54)が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された18日、県内在住では4人目となる人間国宝の誕生に、地元や各界からは喜びと祝福の声が上がった。


地元や各界 祝福の声 鹿島市 観光振興にも期待

 市内で絵画教室を開き、中学生時代の鈴田さんを指導した洋画家金子剛さん(69)は「おとなしくまじめな性格で、着実に上達していった。対象物を抽象化させたデザインが現代的で素晴らしい。今後も良い作品を生み出してほしい」とエールを送った。市観光協会の中村雄一郎会長(59)は「佐賀県の新たな宝。作品展を開くなどしてお名前を貸していただき、市の観光振興にもつなげられれば」と期待を寄せた。

 同日午後、桑原允彦市長が鈴田さんの自宅を訪れ祝福した。桑原市長は「市民が一緒に喜べるよう市内に横断幕を掲示したい。作品を紹介する機会もつくりたい」。鈴田さんは「鹿島という地域で仕事ができることが創作の一番の力になっていると思う」とお礼を述べた。妻の信子さん(51)は「今までは自分の作品に挑戦する気持ちだけでよかったが、これからは責任や重圧が生まれると思う。健康管理の面などで支えたい」と気遣った。

 佐賀県庁では「祝 人間国宝認定 鈴田滋人先生」と大書された縦11メートル、幅1.1メートルの記念の垂れ幕が掲げられた。


豊かな文化知らしめる 古川康知事の話

 この夏一番のうれしいニュースだ。県民を代表してお祝いを申し上げたい。54歳の若さで「木版摺更紗(もくはんずりさらさ)」の人間国宝になられることは、驚きとともにこの上ない喜びだ。

 着物という伝統的なかたちの中に、緻密(ちみつ)さや斬新さ、自由さ、格調高さといった異なる性質のものが見事に調和し、若々しい感性が作品中にあますことなく摺り上げられている。

 佐賀県といえば陶磁器というイメージが強いが、今回の認定は、先人たちが伝えてきた豊かな文化と技法がたくさん息づいていることを、県民をはじめ全国に知らしめることになる。後進は誇りに励みにしてほしい。鈴田先生は、己の道を究めてほしい。

出典:西日本新聞